この変化を後押しした最大の要因は、容赦なく進むインフレと円安だ。生活コストが上昇し続ける中で、従来の「手取り18万円」では東京などの大都市圏でまともな生活を送ることすら困難になっている。若者の生活防衛という観点からも、企業は基本給を上げざるを得なくなった。
さらに、グローバル市場での日本円の価値低下が、外資系企業との獲得競争を激化させている。ドル建てで給与を計算する外資系企業に対し、円建ての日本企業が対抗するには、額面を大幅に引き上げるしかない。結果として、市場原理が日本の硬直した給与体系を無理やりこじ開けた形となった。