遺伝研究の潮流を劇的に変えたのが、全米で10万人規模の当事者・家族データを取り扱うSPARK研究プロジェクトだ。大規模な試料採取と次世代シーケンサーを用いた解析により、従来は見落とされていた稀少な脱ノボ(突発的)変異や構造変異が次々と同定されている。
世界最高峰の学術誌『Nature Genetics』に掲載された最新研究によれば、共通の遺伝的変異(ポリジェニック・リスク)に加えて、受精卵の発生段階で新たに生じる遺伝子変異が複合的に作用することで、脳の神経回路の再編やシナプス形成に影響を及ぼすことが判明した。これにより、家系内に同じ症状を持つ人が誰もいない場合でも、遺伝的要因が関与するメカニズムが合理的かつ科学的に説明可能となった。