警察の捜査関係者への取材や押収された運行管理資料から、現場で常態化していた「想定の甘さ」が次々と明るみに出ている。第一の盲点は、遠隔非常停止装置(キルスイッチ)の運用不徹底だ。コースサイドの係員が緊急停止ボタンを操作する手順になっていたものの、当時は複数の走行車両に対応しており、事故車両の暴走に即座に反応できなかった。
コーススタッフの証言によれば、事故を起こした車両は直前の点検でアクセルワイヤーの戻りにわずかな引っ掛かりが確認されていたという。「整備はしたが、運行を中止するほどではないと判断してしまった」と関係者は打ち明ける。利益や回転率を優先し、小さな異常を見逃した現場判断の狂いが決定打となった。
さらに、被害に遭った女児が立っていた待機エリアの配置そのものにも構造的欠陥が存在した。直線の終端、いわゆるエスケープゾーンの正面に見学用スペースが設けられており、コースアウトが起きた際の直撃ルート上に人を立たせていた実態が明らかになっている。