こうした風化の波に対し、最新技術を用いた記憶の保存プロジェクトが本格化している。2026年に入り、航空安全研究機関と大学の共同チームにより、御巣鷹の尾根全域を高精度レーザーで立体スキャンした「デジタルツイン」の保存データが公開された。事故現場の地形や犠牲者の墓標、遺品が発見された場所がミリ単位の精度でデジタル空間に再現され、世界中どこからでも現場を追体験できるようになった。
さらに、劣化が進んでいたコックピットボイスレコーダー(CVR)の音声データに対して最新のAIノイズキャンセリング技術を適用。これまで雑音に埋もれていた乗務員同士の緊迫したやりとりや、最後まで諦めずに操縦桿を握り続けた細かな操作ログの再解析が進んでいる。これらのデータは単なる記録にとどまらず、将来の自律飛行システムにおける異常時アルゴリズムの開発にも応用されている。