酒宴の終わりを何で締めくくるか。長野においてその最適解は、間違いなく戸隠そばだ。日本三大そばの一つに数えられるこの名物は、一本一本のエッジが立ち、喉を通り抜ける瞬間に広がる豊かな穀物の香りが特徴である。「ぼっち盛り」と呼ばれる独特の盛り付けは、見た目にも美しい。
駅周辺の外食・フードサービス産業では、昼の看板メニューである蕎麦を夜のコースのフィナーレとして組み込むスタイルや、深夜営業の手打ちそば居酒屋が強烈な支持を集めている。冷水できりりと締められた細切りの麺を出汁の効いた辛汁にくぐらせ、手繰り寄せる瞬間の爽快感は格別だ。
単なる空腹を満たすための外食から、その土地のストーリーを五感で追体験するエモーショナルな体験へ。長野駅前の飲食シーンは、消費者の本物志向に応える形で着実にレベルを引き上げている。