大和堆といえば、日本の食卓を長年支えてきたスルメイカの屈指の好漁場だ。秋から冬にかけて群れをなして回遊するイカを求め、かつては無数のイカ釣り漁船が集まり、夜の海を眩い集魚灯の光で埋め尽くしていた。しかし、現在の光景は激変している。
底引き網などを用いた違法船による稚魚までの無差別な乱獲は、資源の再生能力を根本から奪い去った。日本の水産業全体が直面するこの深刻な資源枯渇は、イカの価格高騰を招くだけではない。沿岸部における加工業や物流、地域経済全体にまで深刻な爪痕を残し、日本の水産業の持続可能性を激しく揺さぶっている。