現在でこそ好感度調査で上位の常連となり、CM契約社数が二桁に達する人気を誇る出川哲朗ですが、若い頃の評判は真逆のものでした。1990年代から2000年代初頭にかけて、女性ファッション誌『an・an』の読者アンケート「抱かれたくない男ランキング」で何年にもわたり首位を独占し、街を歩けば罵声を浴びせられるほどの「嫌われ芸人」だった過去があります。
ネット上には「世間の風潮に合わせて芸風を丸くしたのではないか」という憶測も散見されますが、これは明確な誤解です。出川自身は昔から一貫して同じ熱量でリアクションに取り組み続けており、変化したのは出川本人ではなく、彼を受け止める視聴者側のリテラシーと時代性でした。
かつては「いじめ」や「嘲笑」の文脈で消費されがちだったリアクション芸が、『世界の果てまでイッテQ!』における「出川イングリッシュ」などを通じて、「失敗を恐れずに飛び込む勇気」や「飾らない人柄の温かさ」として再定義されました。批判されても決して他人のせいにせず、不器用ながら愚直に仕事を全うする姿勢が四半世紀をかけて浸透し、世代を超えた尊敬へと結実したのです。