作者である荒木飛呂彦が本作で描き出した杜王町は、第4部に登場したノスタルジックな街並みとは一線を画す。震災という未曾有の災禍を経て変容した現代日本の影を反映した、どこか不穏で有機的な都市像だ。このリアリティと荒唐無稽な怪異が同居する世界像こそ、作家の真骨頂と言える。
掲載誌である集英社の『ウルトラジャンプ』誌上において、本作は10年以上にわたり連載され、同誌のブランディングとクオリティを象徴するフラッグシップ作品として君臨し続けた。月刊誌ならではの濃密なページ数と圧倒的な作画密度は、漫画表現の極限を提示し、後続のクリエイターたちに巨大な影響を与え続けている。