館内に足を踏み入れた者が最も息をのむのは、配置された美術品の数々だ。前澤氏といえば、ジャン=ミシェル・バスキアをはじめとする世界的大巨匠の作品を競売で落札したことで世界的なニュースとなったが、その至高の現代アート群がこの邸宅の各所に贅沢に配置されている。絵画のみならず、彫刻や特注のデザイナーズ家具が、安藤建築のコンクリート壁と完璧なハーモニーを奏でている。
各部屋は特定のテーマに基づいてキュレーションされており、廊下を歩くだけで世界トップクラスのギャラリーを巡っているかのような感覚に陥る。インテリアの一つひとつが主張し合いながらも、空間全体として緻密な計算の上に成り立っているのだ。個人資産の枠を超え、人類の文化的遺産を守り、日常の中で鑑賞するという、究極のコレクター魂がそこに結実している。