昨今の家電市場で高い普及率を誇る「自動お掃除機能付きエアコン」ですが、現場のサービスマンが口を揃えて指摘するのが「自動お掃除機能付きだから10年間何もしなくていいと思っていた」というユーザーの誤解です。
実際の構造上、お掃除ロボットが自動で除去できるのは「フィルター表面の乾いたホコリ」のみです。油分を含んだベタつく汚れを拭き取る機能はなく、長期間放置されたフィルターには薄い油膜が張り巡らされ、自動ブラシそのものが汚れを塗り拡げてしまう事態すら発生しています。さらに、自動で集められたホコリが溜まる「ダストボックス」は定期的に人間の手でゴミ捨てを行わなければならず、放置して溢れたホコリが内部のファンや熱交換器へ逆流するトラブルが頻発しています。お掃除機能付きエアコンフィルター手入れであっても、最低でも半年に1回はカバーを開けて目視確認し、必要に応じた水洗いとボックス清掃を行う必要があります。
また、家庭でのセルフメンテナンスには明確な「境界線」が存在します。フィルター清掃は吸気口の防護壁を綺麗にする作業ですが、フィルターをすり抜けた微細なカビ菌や汚れは、その奥にある「アルミ熱交換器(フィン)」、送風を司る「シロッコファン」、そして結露水を受け止める「ドレンパン」に定着します。
市販のエアコン洗浄スプレーを吹き出し口や熱交換器に無闇に吹き付けるDIY清掃は、洗浄液を完全に洗い流せず内部で固着し、かえってカビの栄養源になったり、電子基板に液がかかって発煙・発火事故を引き起こしたりするリスクが製品評価技術基盤機構(NITE)等からも繰り返し警告されています。吹出口の奥を覗き込んで黒い斑点状のカビがびっしり付着している場合や、フィルターを洗っても吹き出す風の臭いが消えない場合は、自力での対処限界を超えている明確なサインです。
そうした状況では、高圧洗浄機を用いて内部を丸洗いする専門業者への依頼が必須となります。エアコンクリーニング業者評判比較を行う際は、単なる料金の安さだけで選ぶのは避けるべきです。通常の壁掛けエアコンで8,000円〜12,000円前後、お掃除機能付きエアコンで15,000円〜22,000円前後が信頼できる技術者の適正相場です。相場を大幅に下回る激安業者の場合、ドレンパンやファンを分解せずに表面だけを流して終わる簡易作業であったり、損害賠償保険に未加入であったりするリスクが存在します。分解洗浄の実績、防カビコートの有無、万一の破損事故に対する補償体制が明記されているかを確認することが、後悔しない業者選びの鉄則です。