2026年に入り、東京、パリ、ニューヨークを巡る大型個展が開催され、連日長蛇の列を作っている。展示室に飾られた原画の前に立つと、多くの来場者が息を止める。それは漫画の原稿という枠を超え、完成された美術品としてのオーラを放っているからだ。
ヨーロッパの美術誌は彼の作品を「日本の古典的絵画と現代サブカルチャーが高次元で融合した稀有な例」と評した。伝統的な日本の墨絵や浮世絵が持っていた「線描の美」を現代の商業漫画に持ち込み、世界共通の言語へと仕立て上げた功績は大きい。イラストレーターや漫画家志望者だけでなく、現代アートの画家たちも彼の展示に足を運び、その筆致に熱視線を送っている。