ネット検索や各種プロフィールにおいて、多部未華子の代表的な初期実績として真っ先に挙げられるのが、2005年7月に公開されたSF映画『HINOKIO』(秋山貴彦監督)です。心に深い傷を負い部屋に引きこもる少年・岩本サトル(本郷奏多)と、代理ロボット「HINOKIO」を通じて心を通わせる男勝りな少女・工藤ジュン役を好演。劇中で見せた瑞々しくも芯の強い演技は全国的な称賛を浴びました。
この強いインパクトから、一般には「多部未華子のデビュー作=HINOKIO」と記憶されがちです。しかし、厳密な業界記録や所属事務所(当時)のアーカイヴデータを照合すると、映画『HINOKIO』は「長編商業映画における初主演・本格ブレイク作」という位置づけになります。
彼女が初めて商業カメラの前に立ち、表現者としてのキャリアをスタートさせた作品は、2005年よりもさらに3年遡る2002年に存在していました。デビューの形態を「映像」「舞台」「映画」の3つに分解すると、一般的なパブリックイメージと実際の活動履歴には明確な違いが見て取れます。