多部未華子さんと三浦春馬さんの共演史を語る上で欠かせないのが、約4年という絶妙なスパンで巡ってきた3つの代表作です。映画関係者やファンの間では「オリンピック周期の共演」とも呼ばれ、20代から30代へと差し掛かるキャリアの重要局面で、常に互いの成長を確かめ合うように巡り合ってきました。
第1作となった2010年の実写映画『君に届け』では、陰気と誤解されがちな女子高生・黒沼爽子と、クラスの人気者である風早翔太を熱演。興行収入約15億3000万円を記録し、漫画実写化の金字塔として現在も語り継がれています。
続く2014年のフジテレビ系ドラマ『僕のいた時間』は、三浦春馬さん自身が「命を題材にしたドラマをやりたい」とプロデューサーに企画を持ち込んで実現した渾身の意欲作でした。筋萎縮性側索硬化症(ALS)という過酷な運命に立ち向かう主人公・澤田拓人と、彼を一途に支え続ける恋人・本郷恵の姿は、単なる恋愛ドラマを超えた深い感動を呼び、ギャラクシー賞をはじめとする数々の賞を受賞しました。
そして3度目の共演となったのが、伊坂幸太郎氏のベストセラー小説を今泉力哉監督が映画化した2019年公開作『アイネクライネナハトムジーク』です。劇中で2人は、劇的な大恋愛ではなく「10年という歳月を共にした不器用な等身大の恋人同士」を演じ、自然体かつ円熟味を帯びた息の合った掛け合いを披露しました。