ボストン・レッドソックスの主力を担う吉田正尚の活躍は、まさに敦賀気比の打撃指導が世界基準であることを証明する最大の証左だ。高校時代から群を抜いていたバットコントロールと、小柄な身体を極限までしならせるフルスイングは、MLBの並み居る160キロ越えの豪速球をも易易と捉えてみせる。
「とにかく振る力を鍛える」。言葉にすれば単純だが、これを毎日何百本、何千本と妥協なく繰り返す文化が福井の地に根付いている。ただ振り回すのではない。ボールのラインにバットを入れ、インパクトの瞬間に全パワーを集中させる技術。吉田が見せる規格外の長打力と低い三振率は、高校3年間に培われた愚直なまでの反復練習が生み出した芸術品と言っていい。