通信インフラの確立と並行して推し進められたのが、AI戦略の全面開花である。米OpenAIとの戦略的パートナーシップをはじめ、国内外の最先端AI企業との連携を通じて構築された「Rakuten AI」は、単なるチャットボットの域を遥かに超えている。その中核にあるのは、日本国内で1億人以上のユーザーが蓄積してきた購買データ、金融取引履歴、そして通信データの超巨大データベースだ。
消費者が自覚する前に、次に必要な商品やサービスをAIが予測し、最適化されたプランやクーポンの提供、金融投資のアドバイスまでをシームレスに行う。アプリのUI(ユーザーインターフェース)すら、ユーザーごとにリアルタイムで動的変化する仕様へとシフトした。ポイントプログラムという強力な接着剤にAIの頭脳が加わったことで、他社経済圏への顧客流出を防ぐ壁の高さは前代未聞のレベルに達している。データとAIの掛け算が、1IDあたりの生涯価値(LTV)を極限まで引き上げている。