なぜ、どこにでもある日常生活の道具が凶器に選ばれたのか。捜査関係者への取材で見えてきたのは、密閉容器としての圧力鍋が持つ物理的特性と、散弾効果を高めるパチンコ玉の悪用に他ならない。内部で急激に高まるガス圧を一気に開放させる構造は、爆薬の量が少量であっても甚大な破砕力を生み出す。
ボストンマラソンテロ事件をはじめ、海外の無差別テロでも同種の手口が報告されていた。国内においても、暗闇のウェブサイトやSNS上で拡散した手製爆弾の解説を盲信する孤立した個人が、入手しやすい資材として着目した経緯がある。警察の最新捜査資料によると、原材料の購入履歴を追跡しにくい店舗での現金決済が多用されていた実態も判明している。