岩下克樹という名の凄みを語る上で外せないのが、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』で見せた異彩を放つ演出手法だ。ただキャラクターを綺麗に動かすのではない。空間全体の空気感や、戦いの最中に生じるキャラクターの焦燥感、そして痛みの質感までもが、彼のカット割りによって生々しく描き出される。
特にバトルアクションの構築における彼のセンスは群を抜いている。スピード感あふれるダイナミックなカメラワークと、あえて崩しを効かせた作画のメリハリ。画面越しに風圧や衝撃波が伝わってくるかのような臨場感は、視聴者の網膜と記憶に深く刻み込まれてきた。