仕込みはまだ街が眠る早朝4時から始まる。今回特別に撮影を許された仕込み場では、香辛料をじっくりと炒め上げる重厚な音が響いていた。テレビのグルメ番組や情報バラエティでは一切明かされてこなかった未公開の調理工程だ。
スープのベースとなるのは、厳選された国産鶏と数種類の部位を12時間以上煮込んだ黄金の清湯。そこに合わさる数々のスパイスは、産地や収穫時期にまで極限までこだわっているという。「火入れのわずか数秒の差で、香りの立ち方が根底から変わる」と語る厨房の空気感は、調理場というよりも職人の実験室に近い。一切の妥協を許さない狂気にも似た情熱が、圧倒的なうま味を生み出している。