家庭内の不調和や親子の確執は、文化的なアプローチにおいても鋭く切り取られてきた。近年の映像エンターテインメント業界では、歪んだ家族像を解剖する作品が爆発的な関心を集めている。
湊かなえの小説を原作とする映画『母性』は、「母になりきれない女性」と「愛を渇望する娘」の視点の乖離を克明に描き出し、母性という幻想の過酷さを浮き彫りにした。一方、日常に紛れ込む支配の狂気を描いたドラマ『毒娘』のようなサスペンス・ヒューマンドラマやサイコロジカルスリラーが支持される背後には、親という逃れられない権力構造に対する現代人の生々しい恐怖が存在する。