映画『人数の町』において、川栄李奈が演じた木村紅子は、謎の町に自らの意志で留まりながらも妹を探し続ける複雑な内面を持つ女性でした。主演の中村倫也との関係性において描かれた接触シーンは、単なる肉体的な惹かれ合いではなく、管理社会における生存確認と孤独の共有という極めて重いテーマを内包していました。
当時の映画関係者や批評筋のレビューを振り返ると、「彼女の瞳の揺らぎと、相手に身を委ねる際の脱力感が、閉塞した空間の異常性を際立たせていた」と指摘されています。露出度で観客を釣るような安易な演出ではなく、肌の触れ合いを通じて登場人物の絶望や微かな希望を表現する手腕は、並みの若手女優には到達できない領域です。
また、2017年のドラマ『僕たちがやりました』で見せた新田真剣佑とのシーンでも、川栄はキャラクターの持つ奔放さと内面の脆さを大胆な身体表現で見事に体現しました。相手役の熱量を真正面から受け止め、それを何倍にもして返す反射神経の良さが、共演俳優の魅力を引き出す相乗効果を生んでいます。