浴衣帯の王道といえば、半幅帯(はんはばおび)を用いた「文庫結び」です。背中に愛らしい左右の羽根が広がるクラシックなスタイルですが、初心者が後ろ手で結ぼうとすると失敗しがちです。「体の正面で結び終えてから、最後に時計回りで後ろへ回す」というアプローチをとることで、鏡を見ながら誰でも失敗なく仕上げられます。
具体的な手順は以下の通りです。まず帯の端(手先)を約50〜55cm(肩からみぞおち程度の長さ)取り、半分に折ってクリップで胸元に仮止めします。残りの帯(たれ)を胴に2周巻き付けます。このとき、1周ごとに帯の下側をキュッと引き締めるのが浴衣の帯が苦しくない結び方の肝要なポイントです。みぞおちを圧迫せず、腰骨の上で帯を安定させる感覚を意識してください。
2周巻き終えたら、手先を上にしてたれとひと結びします。結び目をギュッと縦に引き、緩まないようにしっかりと締めます。次に、たれ側を肩幅程度の長さにパタパタと屏風のように折りたたみ、中央に「山ひだ(M字のひだ)」を作って羽根を形成します。そこに手先を上からかぶせてぐるりと巻き込み、余った手先を帯の内側に押し込めば文庫結びの完成です。最後に両手で帯の前後を持ち、お腹を引っ込めながら必ず時計回り(右回り)に回して背中へ移動させます(左回りに回すと浴衣の衿元が崩れるため厳禁です)。