高崎のシンボルとして観音山丘陵から街を見守り続ける高崎白衣大観音は、高さ41.8メートルを誇る壮大なコンクリート造の仏像だ。1936年に実業家・井上保三郎の私財によって建立されたこの観音像は、胎内を巡り肩の高さまで登ることができ、晴れた日には遠く関東平野や上毛の山並みを一望できる。
一方、縁起だるま発祥の地として知られる少林山達磨寺には、世界的モダニズム建築家であるブルーノ・タウトがナチス・ドイツの迫害を逃れて日本に滞在した際、約2年間にわたり思索に耽った「洗心亭」が現存している。タウトは桂離宮の美しさを世界に知らしめたことで名高いが、この高崎の地でも竹や和紙を用いた工芸品のデザインを手掛け、日本の簡潔な美意識を深く称賛した。世界的巨匠の足跡を辿る旅は、知的な刺激に満ちている。