現在の岐阜モーニングを語る上で、絶対に避けて通れない2つの象徴的な名店がある。いずれも岐阜市に拠点を構え、それぞれ全く異なるアプローチで訪れる者を魅了している。
まず圧倒的な存在感を放つのが、ベーカリーカフェの「ラスティコ(rustico)」だ。コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな空間でドリンクを注文すると、バスケットから溢れんばかりのパンの盛り合わせが運ばれてくる。キッシュ、ハード系のバゲット、甘いデニッシュ、フォカッチャなど、その日焼き上げられた本格パンが4〜5種類ほど無造作に、しかし美しく詰め込まれている。食べきれない客のために持ち帰り用の袋が用意されているのも、この店のお約束だ。香ばしい小麦の香りに包まれる朝は、まさに至福のひと言に尽きる。
一方、正統派の喫茶空間で別格のモーニング体験を提供するのが「敷島珈琲店」だ。ここの代名詞は、注文を受けてから一枚一枚じっくりと銅板で焼き上げる名物のホットケーキ。外側はサクッと香ばしく、中は驚くほどふっくらときめ細やかで、一口含むと上品な甘みとバターのコクが広がる。岐阜県産のハチミツや素材にこだわった贅沢なモーニングセットは、どこか懐かしくも洗練されており、幅広い年齢層の心を掴んで離さない。