藤子・F・不二雄が本作で構築した世界観は、単なる児童文化の域を超えた本格的なSFアドベンチャーである。バミューダトライアングルの謎やマリアナ海溝の深海世界、冷戦下の核の脅威を想起させる自動報復装置の存在など、当時の社会情勢や科学的ロマンが凝縮されている。
エルはその壮大なSF世界において、読者や視聴者を未知なる深海へと誘うナビゲーターであり、人間ドラマを牽引する主役級の動線となっていた。科学の暴走に対する警鐘と、種族を超えた友情の可能性。その二軸を完璧に描き切った作品構造は、今読んでも全く色褪せない。