てんとう虫コミックスのドラえもん歴代表紙一覧を並べて眺めると、ある明確な法則性に気づかされます。それは「ドラえもんが必ず読者に向かって感情豊かなアクションを起こしている」という点です。ひみつ道具を誇らしげに掲げる姿、驚いて飛び上がる表情、時にはのび太と一緒に失敗して慌てる様子など、どの巻も1枚のイラストで物語のワクワク感を凝縮しています。
巻数を重ねるごとにドラえもん表紙デザインの変化も見て取れます。初期のやや丸みを帯びた素朴なフォルムから、中期以降の洗練されたシャープな描線、そして後期に見られる柔らかな筆致へと、藤子先生の描画スタイルの成熟がそのまま表紙に刻印されています。
そして2019年末、ドラえもん生誕50周年を記念して刊行され大反響を呼んだのが『ドラえもん0巻表紙』でした。学年別学習雑誌6誌で同時に始まった異なるパターンの「第1話」をすべて収録したこの0巻のカバーには、当時の初期ドラえもんのずんぐりとした愛嬌あるシルエットが見事に再現され、新旧ファンを驚嘆させました。