漆黒の暗闇で明滅する儚い光をスマートフォンのカメラで捉えるのは、極めて至難の業だ。フラッシュの使用はホタルの生態系を乱すだけでなく、館内撮影マナーとして厳禁となっている。撮影を成功させる鍵は、スマートフォンの「ナイトモード」やマニュアル撮影アプリを活用し、露出補正をマイナスに設定した上で、息を止めて壁や手すりにカメラをしっかりと固定することだ。
ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士による緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見が示す通り、生物の発する自発光は科学的にも極めて美しく繊細な波長を持つ。その微小な光のグラデーションを写し取るには、無闇に感度(ISO)を上げすぎず、ノイズを抑えた長時間露光を意識するのがプロのテクニックだ。暗闇の中で浮かび上がる幻想的な光の軌跡は、一枚の写真を超えた特別な思い出として心に深く刻まれるだろう。