かつてのプロ野球界には、「英雄色を好む」という言葉が免罪符のように使われる空気が確かに存在した。夜の街での豪遊や女性関係の噂は、むしろ一流選手のステータスの一部として語られることすらあったのだ。
しかし、令和を経て2026年に至る現代社会において、その価値観は完全に崩壊した。ファンが求めるのは、クリーンで誠実、かつプロフェッショナルなアスリート像である。プライベートの乱れは自己管理能力の欠如とみなされ、即座に厳しい社会的制裁の対象となる。阿部が経験した過去の騒動は、まさにその価値観の過渡期に起きた象徴的な事件であったと言えるだろう。