JR東海およびJR西日本は、2026年度を目途に東海道・山陽新幹線へフラッグシップ車両であるN700S系新幹線の一部車両を改修し、新たに「グリーン車個室」を導入することを公式に明かした。この大型プロジェクトは、単なる設備の更新にとどまらない。JR東海の丹羽俊介社長が掲げる「多様化するお客様ニーズへの柔軟な対応」を具体化する象徴的な取り組みである。
かつて高度経済成長期からバブル期にかけて、新幹線の個室はVIPや要人の移動用として親しまれていた。しかし時代の変化に伴い、大量輸送と効率化が優先される中で姿を消していった経緯がある。今回、満を持して再投入が決まった背景には、コロナ禍を経て劇的に変化した社会構造と、静寂で確実なプライベート環境を求める声の急速な高まりが存在する。