緊張のドキドキを表す英語の代表格が「get nervous」だ。しかし、日本人の使用例を観察すると、「nervous」の意味範囲を広く取りすぎる傾向が見える。「nervous」は日本語の「緊張」よりネガティブ度が高く、不安・心配・怖さに近い。プレゼン前、面接前、試合前、初対面の相手と話す前など、失敗への恐怖や不安を伴うドキドキに限って使うのが正解だ。
具体的な例文を見てほしい。
「I always get nervous before job interviews.」
(面接前はいつも緊張します。)
「Don't be nervous. You'll do fine.」
(緊張しないで。大丈夫だから。)
一方で「緊張する英語」を調べる人のなかには、恋愛のドキドキやワクワク感を「nervous」と表現してしまうケースが散見される。これは「excited」と「nervous」の違いを理解すれば解決する。excitedは「良いことが起こる予感による高揚」、nervousは「悪いことが起こるかもしれない不安」という方向性の違いだ。
報道や学術的な場面でも、この区別は厳密に運用される。心理学の感情研究では「excitement(興奮的期待)」と「anxiety(不安緊張)」は生理的反応が酷似しているが、本人の評価がポジティブかネガティブかで分岐するとされる。つまり心臓のドキドキそのものは同じでも、脳の解釈で言葉が変わるのだ。日本語話者が「ドキドキ」を1語で済ませられるのに対し、英語圏ではこの解釈のズレを言葉で区別する必要がある。