台風や激しい雷雨の夜、遠くの電柱から「バチッ!」という轟音とともに閃光が走る光景を見たことがあるかもしれません。ネット上などでは「電柱のトランスが爆発した」と表現されることも多い現象です。
結論から言えば、現代の柱上変圧器自体が映画のように粉々に爆発・炎上することは極めて稀です。
落雷による過電圧(雷サージ)や、猛暑・厳冬期の急激な電力需要による過負荷(オーバーロード)で内部ショートが起きた場合、油が一気に気化して内圧が急上昇します。しかし、タンクが破裂する前に以下のような安全装置が作動します。
- 放圧弁(圧力調整弁):タンク内の圧力が一定値を超えると瞬時に開き、高圧ガスを安全に逃がして容器破砕を防ぐ。
- 高圧カットアウト(ヒューズ):変圧器の手前に設置された高圧ヒューズが溶断し、瞬時に電気の供給を遮断する。
- 避雷器(アレスター):落雷の直撃を受けた際、過剰な電流を瞬時に大地(地面)へ逃がす。
夜空に見える派手な火花や爆発音の大半は、この「高圧カットアウトが異常電流を感知して吹き飛んだ(ヒューズが飛んだ)瞬間」の閃光や音であり、変圧器本体の破裂を防ぐための防護システムが正しく作動した証拠でもあります。