買収当時、最大の争点となったのが「店内調理」の継続だった。コロワイド側はセントラルキッチン(集中調理場)の導入によるコスト削減を狙ったが、現場と旧経営陣は猛反発した。結果として、2026年現在の大戸屋はどうなったのか。結論から言えば、彼らは「ハイブリッド」という妥協点を見出した。
すべてを工場製にするのではない。魚を炭火で焼く、出汁を店で引く、豆腐を店で仕込むといった、味の決め手となるコアな部分は今も各店舗の厨房で行われている。一方で、野菜の下処理や一部のタレの調合など、バックヤードでの単純作業は徹底的に効率化された。この絶妙なバランスこそが、ブランドの崩壊を防いだ防波堤だったと言える。