シェーバー本体の持ち込みに問題がなくても、空港の保安検査場で手荷物を開けられ、泣く泣く廃棄処分になるケースが後を絶ちません。その主たる原因は、本体と一緒に携行する「ケア用品・周辺アイテム」にあります。
1. 専用洗浄液(カートリッジ・パウチ)のアルコール度数と容量
全自動洗浄充電器にセットする専用洗浄液には、除菌・速乾効果を高めるために高濃度のエタノール(アルコール)が含まれている製品が少なくありません。航空法上、アルコール度数が24%を超え70%以下の液体は「危険物」に分類され、1容器あたり0.5L(または0.5kg)以下、1人あたり合計2L(または2kg)までという厳しい総量規制が適用されます。
さらに注意が必要なのは国際線です。国際線では「あらゆる液体物は100ml(g)以下の容器に入れ、容量1L以下のジッパー付き透明プラスチック袋に収納する」という厳格な機内持ち込み制限(LAGs規制)が存在します。100mlを超える大容量ボトルの洗浄液は、保安検査場の手前でスーツケースに収納し、受託手荷物として預け入れる必要があります。
2. シェービングフォーム・ジェルの高圧ガス規制
泡状で噴射されるエアゾール式(スプレー缶タイプ)のシェービングフォームは、高圧ガス保安法および航空輸送規則に従う必要があります。化粧品類・医薬品類に該当するシェービングフォームは持ち込み・預け入れともに可能ですが、以下の条件を満たしていなければなりません。
スプレー缶の噴射弁が誤って作動しないよう、「保護キャップが確実に装着されていること」が義務付けられています。キャップを紛失した状態で無造作にバッグへ放り込んでいると、保安検査で指摘を受ける対象になります。
3. 替刃・T字カミソリの明確な境界線
「刃物は機内持ち込み禁止」という大原則があるため、シェーバーの替刃やT字カミソリの扱いに迷う方が多く見受けられます。国土交通省の公式ガイドラインでは、刃物類の持ち込み可否について明確な基準を設けています。
電動シェーバーの外刃・内刃ユニットや替刃、さらには刃体の長さが4cm以下のT字カミソリ(安全カミソリ)や眉毛・顔そり用の小型カミソリは、機内持ち込みが可能です。一方で、一枚刃を露出して交換する古典的な両刃カミソリの替え刃単体や、折りたたみ式ナイフ構造の剃刀などは凶器とみなされ、機内持ち込みは不可(受託手荷物のみ)となります。