幼少期に「セミは土の中で7年間生きる」と教わった人は多いはずだ。しかし、この通説は現代の昆虫学において大きな修正を迫られている。日本の代表的な種類であるアブラゼミの実際の地中生活は、一律7年ではなく、生息域の気温や栄養状態によって3年から5年程度と大きく変動することが判明した。
地下深くで幼虫は何をしているのか。彼らは決して「眠っている」わけではない。土中の微妙な温度変化を察知し、自ら前脚でトンネルを掘り進めながら、より条件の良い場所を求めて移動を続けている。土壌の硬さや湿度の変化に対する適応能力は、精密なメカニズムに支えられているのだ。