館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのはフリーWi-Fiと高速電源タップが完備されたオープンワークスペースだ。かつて和室や会議室のドアで区切られていた閉鎖的な空間は排され、誰でも気軽に立ち寄れる緩やかな「余白」が広がっている。静かに読書を楽しみたい高齢者の横で、小学生がプログラミングの学習に興じる光景は、もはや珍しくない。
ここでは、デジタル機器の操作に不慣れなシニア層に対して、放課後の高校生や大学生がスマホやPCの活用法をレクチャーする「逆参画型」のワークショップが定期的に開催されている。一方的な「教える・教えられる」の関係を解きほぐすことで、自然な世間話から地域の知恵が若者に引き継がれる。テクノロジーを触媒に、人と人との距離感がしなやかに縮まっているのだ。