ふと路地裏へ立ち入ると、まるでドラマ『孤独のグルメ』で主演の松重豊が演じる井之頭五郎のように、ふらりと引き寄せられる店がある。飾らないパイプ椅子、煙が燻る焼き台、そして壁一面に貼られたお品書き。
大和の酒場で味わえるのは、洗練された高級料理ではなく、職人の質直な手仕事が光る和食の真髄だ。丁寧にひいた出汁が染み込んだおでんや、炭火で香ばしく焼き上げられたモツ焼き。ひと口頬張れば、思わず唸ってしまうほどの旨味が口いっぱいに広がる。こうした奇をてらわない飾らない味が、日々の疲れを静かに癒やしてくれるのだ。