多国籍なファストフードの影で、王道の沖縄料理もまた独自の進化を遂げている。沖縄市の中央パークアベニュー周辺に点在する大衆食堂の暖簾をくぐると、漂ってくるのは豚骨を骨の髄まで炊き出した力強いアロマだ。
名物のひとつである「骨汁(ほねじる)」は、そばダシを取った後の豚骨を山盛りにし、すりおろし生姜と青菜を添えて供される豪快極まりない一杯。かつてこの地から世界へ羽ばたいたボクシング界のレジェンド・具志堅用高氏をはじめとする多くのアスリートや肉体労働者を支え続けた、まさに沖縄市のスタミナ飯の原点だ。
テレビドラマ『孤独のグルメ』の主人公よろしく、言葉少なにどんぶりと向き合う一人客の姿があちこちで見られる。澄んだ鰹出汁が効いた伝統的な沖縄そばから、島豆腐が主役のゆし豆腐定食まで、滋味あふれる一杯は旅の疲れを芯から癒やしてくれる。