深夜のサイレンが鳴り止むことはない。埼玉県東部医療圏において、高度救命救急センター機能を担う同院の救急外来には、絶え間なく重症患者が搬送されてくる。脳卒中、心筋梗塞、多発外傷——一分一秒を争う局面で、医師や看護師、救急救命士が見事な連携を見せる。
しかし、現場の情熱だけで切り抜けられるほど現状は甘くない。高齢化のピークが近づく2026年現在、軽症・中等症患者の流入と救急車の適正利用をめぐる議論は一段と苛烈さを増している。搬送困難事例をゼロに近づけるための運用改善や、初診スクリーニングの最適化は、現場スタッフにとって日々の最も切実なテーマとなっている。