「破局噴火」とも称される巨大カルデラ噴火は、数万年に一度という極めて低い頻度で発生する。しかし、ひとたび発生した場合の被害は局地的な火山災害の域を遥かに超え、文明の存続そのものを揺るがす。
そのプロセスは壮絶だ。数百立方キロメートルに及ぶ大量の火砕流が時速数百度のスピードで地表を駆け抜け、半径数百キロメートル以内のあらゆる構造物と生態系を呑み込む。さらに空中に打ち上げられた火山灰(テフラ)は上空の偏西風に乗り、日本列島全体を覆うばかりか、成層圏に到達した微粒子が太陽光を遮ることで「火山の冬」を引き起こす。歴史的記録や地層解析によれば、過去の破局噴火後は地球規模で平均気温が数度低下し、深刻な食糧不足や気候変動が数年間続いたことが確認されている。