上野東照宮の創建は1627年にさかのぼる。徳川家康の遺言を受けた藤堂高虎と天海僧正によって建立されたこの神社は、三代将軍・徳川家光によって大規模に造営替えされた。家光公は祖父である家康公を心から敬愛し、日光まで参詣できない江戸の庶民のために、日光東照宮に匹敵する金碧輝煌な社殿を完成させたのである。
戊辰戦争や関東大震災、さらには第二次世界大戦の空襲すら奇跡的に免れた建築群は、現在、国指定重要文化財 上野東照宮社殿として大切に保存されている。拝殿や幣殿、本殿を金色箔で覆った「権現造り」の美しさは息をのむほどだ。幾多の戦火や災害を乗り越えてきた「強運」そのものの建物に足を踏み入れるだけで、強烈な生命力が体に満ちていく感覚を覚える参拝者は少なくない。