ダッシュ島のモデルである由利島の現在の様子は、文明の利器を排した独自の開拓地として、確固たる風格を湛えています。2012年8月の「上陸」から14年目に入る現在、島内に築かれた主要インフラはどのような状態にあるのでしょうか。
巨石を積み上げた「水路」の通水と維持
島内の最重要ライフラインであるDASH島舟屋と水路の現在において、最もメンテナンスに労力が割かれているのが水路です。山側の水源から集落跡を経由して畑や生活拠点へと水を運ぶこの設備は、数々の台風や土砂崩れによる決壊を経験してきました。 現場では、石と赤土、漆喰を組み合わせた伝統工法をベースにしつつ、水の漏出を防ぐ勾配調整が幾度となく重ねられています。現在も定期的な土砂の浚渫(しゅんせつ)作業や、木製樋(とい)の架け替えが実施されており、農業用水および生活雑用水としての機能が維持されています。
雨風に耐える「舟屋」の構造強化
島のシンボルである「舟屋」は、1階に船を引き込み、2階を作業・休憩スペースとする伝統建築です。潮風による木材の腐食やシロアリ被害、強風による屋根瓦のズレなど、自然環境の猛威に常に晒されています。 これに対し、現場では島内で調達した流木や天然素材を用いた梁(はり)の補強、外壁の塗り替えが定期的に施されています。単なるテレビ番組のセットではなく、本物の伝統工法を用いて棟梁たちの指導のもと建設された建造物だからこそ、10年以上の歳月が流れた現在でも倒壊することなく、島の防波堤・活動拠点として機能し続けています。