結論から明かすと、ロケ地の正体は愛媛県松山市に属する無人島「由利島(ゆりじま)」だ。松山市沖の伊予灘、忽那(くつな)諸島の最南端に位置する。周囲約5キロメートル、面積約0.45平方キロメートルの小島で、大小ふたつの島が砂州でつながった「瓢箪(ひょうたん)型」の独特な形状をしている。
かつてこの島は無人島ではなかった。大正時代から昭和初期にかけてはいわし漁の拠点として栄え、ピーク時には多くの漁業者やその家族が暮らしていたという。集落が形成され、定期船も運航していた。しかし、資源の枯渇や産業構造の変化に伴い、昭和30年代後半には全住民が離島。以来、人影の途絶えた静かな無人島へと戻っていたのだ。
かつての生活の痕跡である廃屋や井戸、石垣。番組スタッフと出演者たちが足を踏み入れたとき、そこは緑に覆われた「時の止まった島」だった。歴史の残骸を活かしながら新たな息吹を吹き込む作業が、ここで延々と繰り広げられている。