普段は私服で自由に過ごせる青山高校だが、入学式や卒業式、開校記念式典といったオフィシャルな儀式において、生徒たちはどのような身だしなみで臨んでいるのか。ここには長年受け継がれてきた暗黙のドレスコードが存在する。
入学式当日のキャンパスを調査すると、新入生の服装選択は明確に分かれる。新入生女子の過半数は、購入したばかりのブレザーにプリーツスカート、ローファーを合わせたフォーマルテイストの「なんちゃって制服」で出席する。落ち着いた紺やグレーのブレザーに清潔感のあるリボンを合わせた装いは、式典の厳粛な空気感にも完璧に調和する。
男子生徒や一部の女子生徒の間でスタンダードとなっているのが、リクルートスーツやフォーマルスーツの着用だ。男子の場合、黒やダークネイビーのスーツにネクタイを着用して登校する生徒が全体の約60%を占める。「3年後の大学入学式や成人式、親族の冠婚葬祭でも使い回せるように」と、高校入学のタイミングで少し大人びた一着を新調する家庭が多い。また、中学校時代のブレザーや学ランをそのまま着用して参列する生徒も毎年2〜3割程度存在するため、「中学校の制服を着ていくと浮いてしまうのではないか」と過度に心配する必要はない。
青山高校の教員陣が式典前に発するアナウンスも、「式典にふさわしい正装を心がけること」という大枠の指示にとどまる。ジーンズや派手なパーカーで式典に出席するような生徒は皆無であり、生徒自身が式の格式と場を取り巻く空気を読み取り、自律的に服装をアジャストさせているのが同校の強みだ。