奥州市をはじめとする周辺自治体において、胆沢ダムの水位低下は農業関係者にとって死活問題となり得ます。胆沢平野は日本有数の穀倉地帯であり、初夏から盛夏にかけての田植え・出穂期には莫大な農業用水を必要とします。
過去に東北地方を襲った少雨の局面では、奥州市の水不足ニュースが全国的に報じられ、胆沢ダムの貯水率低下がクローズアップされた事例がありました。しかし、胆沢ダムは旧石淵ダム時代の約9倍におよぶ有効貯水容量を有しており、渇水調整能力は飛躍的に向上しています。
国土交通省の危機管理プロトコルでは、貯水量があらかじめ設定された警戒基準を下回った場合、下流利水者との協議会を通じて取水制限のステップが段階的に協議されます。市民の生活用水(上水道)に関しては、多面的な水源確保とダム運用の最適化により、深刻な断水危機に直結するリスクは極めて低く抑えられているのが実態です。ただし、局地的な猛暑と少雨が長期化する近年の気候条件下では、常に予断を許さない水管理が現場で続けられています。