読者が最も知りたい核心である「単調増加はイコールを含むのか?」という問いに対する率直な結論は、「高校数学ではイコールを含まない定義が主流だが、大学数学や専門分野ではイコールを含む定義(広義)を『単調増加』と呼ぶ場合が多い」となります。この流儀の分裂こそが、ネット検索で答えが割れる真相です。
学問の世界では、この曖昧さを排除するために「狭義」と「広義」という接頭辞を用いて明確に区別します。
狭義単調増加(strictly increasing)は、値が完全に上がり続ける状態を指します。すなわち、$x_1 < x_2$ ならば必ず $f(x_1) < f(x_2)$ が成り立ちます。グラフ上に水平な「平坦部分(足踏み状態)」は一切存在しません。例として、一次関数 $f(x) = 2x + 1$ や指数関数 $f(x) = 2^x$ などがこれに該当します。
一方、広義単調増加(weakly increasing)は、途中で値が変わらない平坦な区間を許容します。すなわち、$x_1 < x_2$ に対して $f(x_1) \le f(x_2)$ が成立すれば足ります。この状態は、値が一度も減少しないことから別名単調非減少(non-decreasing)とも呼ばれます。階段状に数値が増えるステップ関数(ガウス記号など)が良い例です。
各分野における定義の使われ方と基準の違いを以下の比較表にまとめました。
このように、「単調増加」という単語単体では、イコールを含むかどうかが学問領域によって揺れます。そのため、学術論文や厳密な仕様書を作成する際には、「狭義単調増加」または「広義単調増加(単調非減少)」と明記することが事実上のグローバルスタンダードとなっています。