読者が最も固唾を呑んで見守った青道vs稲実 決勝スコアは、「青道高校 2 - 1 稲城実業」という緊迫の投手戦の末、青道高校の劇的な逆転勝利で幕を閉じました。前年夏の西東京大会決勝でサヨナラ負けを喫し、あと一歩で甲子園を逃した青道ナインにとって、まさに1年越しの悲願成就となった瞬間です。
この決勝戦における青道の先発マウンドに上がったのは怪物・降谷暁でした。降谷は立ち上がりから自己最速に迫る剛速球と切れ味鋭いスライダーを武器に、絶対王者・稲実の強力打線をねじ伏せていきます。試合が動いたのは中盤の6回裏。稲実の主将・福井や俊足の神谷カルロス俊樹の機動力を活かした攻勢により、稲実が1点を先制。なおも走者を背負うピンチの場面で、片岡監督がマウンドに送り込んだのが、真のエースへと覚醒した沢村栄純の決勝登板でした。
救援した沢村は、プレッシャーに押し潰されることなく、多彩なムービングボールと新球「ナンバーズ」を駆使して後続を断ち切ります。そして1点ビハインドのまま迎えた運命の9回表、青道打線が稲実の絶対的エース・成宮鳴に襲いかかります。代打攻勢や主将・御幸一也、前園健太らの執念の連打と好走塁が絡み合い、青道高校が一挙2点を奪って大逆転に成功。スタンドが歓喜と怒号に揺れる中、試合は最終回裏の守備へと突入しました。
9回裏、稲実の攻撃を2死まで追い込んだ沢村の前に立ちはだかったのは、奇しくも稲実の4番・ピッチャーである成宮鳴 最後の打席でした。これまで幾度となく青道の前に立ち塞がってきた孤高のサウスポーに対し、沢村は逃げることなく内角を果敢に攻め立てます。フルカウントからの渾身の1球は成宮のバットを詰まらせ、打球はレフトフライとなってグラブへ。この瞬間、ダイヤのA act2 夏大会 勝敗は青道の劇的な勝利で決着し、青道高校 甲子園出場の夢が現実のものとなりました。