高校野球ファンの記憶に深く刻まれた前年夏の西東京大会決勝から1年。再び同じ決勝の舞台で相まみえた青道高校と稲城実業の一戦は、高校野球史に残る息詰まる投手戦となりました。ダイヤのA act2 決勝スコアは「青道 2 - 1 稲実」。青道高校が見事に1点差のリードを守り抜き、悲願のリベンジを達成しました。
この試合の勝敗を分けたのは、片岡監督が下した冷静沈着な投手起用と、それに応えた二枚看板の成長でした。先発のマウンドに上がったのは背番号11の降谷暁。序盤から150キロを超える剛速球と鋭く落ちるスプリットを武器に、成宮鳴を擁する稲実打線をねじ伏せ、6回途中までスコアボードにゼロを並べる快投を演じました。
そして試合が動いた終盤、満を持して聖地のマウンドへと駆け上がったのが、背番号1のエース・沢村栄純です。降谷暁から沢村栄純への継投シーンは、これまで競い合い、互いを認め合ってきた二人の絆の到達点として、多くの読者の涙を誘いました。
最大のハイライトは、青道1点リードで迎えた9回裏の攻防です。甲子園への執念を燃やす稲実打線が連打を浴びせ、無死1・3塁、一打サヨナラという絶体絶命の危機が沢村を襲います。球場全体を包む異様なプレッシャーのなか、沢村は持ち前の強心臓と進化したムービングボールを駆使し、後続を気迫で抑え込みます。
そして巡ってきた最後の打者は、稲実のエースであり主将の成宮鳴。高校野球界の頂点に君臨してきた絶対的サウスポーとの一騎打ちでした。沢村が魂を込めて投げ込んだ内角低めへのボールに対し、成宮が放った打球は力のない内野ゴロとなり、一塁手へと送球されてゲームセット。青道ベンチから選手たちがマウンドへ雪崩れ込み、沢村が歓喜の輪の中心で雄叫びを上げた瞬間、前年の悪夢は完全に払拭されました。