大西つねき氏と党との決定的な破局は、ネット動画で発せられた命の選別とも受け取られかねない過激な発言がきっかけだった。大手テレビ局や新聞紙面は「命の選別発言で除名」と一斉に短絡的な見出しを打ったが、事態の真相はそれほど単純ではない。
発言の真意として大西氏が訴えようとしたのは、限られた医療リソースや社会保障費の現実的な分配、そして命の価値を金銭で測る現代社会の冷酷な仕組みに対するアンチテーゼであった。だが、大衆政党としての支持拡大を目指す山本太郎氏と党幹部にとって、世論の猛反発を招く表現は許容範囲を超えていた。党内討論会という異例の公開プロセスを経て下された除名処分。それは、表現の自由と政党統率の限界を示す象徴的な事件となった。