「大型特殊免許を取得すれば、名前に『大型』と入っているのだから、当然下位区分の普通乗用車も運転できるだろう」と考える人が後を絶ちません。しかし、この認識は完全な誤りです。大型特殊免許で普通自動車を運転することは法律上できません。
大型特殊免許 普通車運転不可の理由は、道路交通法における免許区分の系列化にあります。日本の自動車運転免許は、「車両の重量やサイズに応じた輸送系列(大型・中型・準中型・普通)」と、「用途に応じた特殊系列(大型特殊・小型特殊)」が体系上明確に切り離されています。
大型特殊免許を取得した際に付帯して運転が許可される区分は、以下の2種類のみです。
- 小型特殊自動車:小型トラクター、ターレットトラック、小型除雪車など
- 原動機付自転車:50cc以下の原付バイク(特定小型原動機付自転車を含む)
免許証の「免許の種類」欄を見ると、「大特」の部分にビット(数字の1)が立ちますが、「普通」欄が空欄であれば、自家用車や軽自動車の運転席に座ることはできません。もし大型特殊免許のみを所持している状態で普通乗用車を公道で運転した場合、道路交通法第64条違反である「無免許運転」が成立し、違反点数25点の加算(一発で免許取消処分および欠格期間2年)と、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という極めて重い刑事罰が科されます。
普通自動車の運転免許を所持している人がステップアップとして大型特殊を取得するケースが多いためこの問題が表面化しにくい側面がありますが、特殊な事情で最初に大型特殊免許を単体取得した人は、通勤用の軽自動車すら運転できないという現実に直面します。免許区分の独立性を正しく認識しておく必要があります。