館内にどよめきが走ったのは、中入り後の土俵入りを控えた時間帯だった。溜席(砂かぶり席)の東側に、ひときわオーラを放つ人物が静かに腰を下ろす。中継画面にチラリと映り込むその横顔に、ネット上は即座に反応した。
現在開催中の大相撲本場所では、連日のように政財界の重鎮からトップアイドル、映画界の重鎮まで多彩な顔ぶれが目撃されている。力士が激突する鈍い肉体音、舞い散る塩、張り詰める空気。その極限の緊張感に身を浸すセレブリティたちの表情は、ステージで見せるそれとはまるで違う。土俵の魔力に純粋に引き込まれた、一人の勝負の目撃者の顔だ。
テレビカメラが力士の息遣いを追う間隙を縫って映し出されるその姿。芸能ニュースの特報よりも早く、SNSの特定班が「あの席にいるのは誰か」を暴き出していくスピード感は、現代の大相撲ならではの現代的なエンターテインメントと言える。