彼女の解説が多くの人を引きつける理由は、数字や過去の決まり手データだけに依存しない点にある。力士の精神状態、日々の稽古場での雰囲気、稽古まわしの締め方ひとつから察するコンディションの良し悪し。山根の視点は常に「生き物としての力士」を捉えている。
勝敗の行方に一喜一憂するだけでなく、敗れた力士が土俵を下りる際の立ち振る舞いにまで温かい眼差しを注ぐ。伝統文化としての相撲の尊厳を守りつつ、それを現代のポップカルチャーとして楽しむ若者世代へわかりやすく言語化する手腕。この絶妙なバランス感覚こそが、主要局のスポーツ番組や大型特番で重用され続ける最大の理由と言える。